魂の園芸用語辞典

ポリポット


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ぽりぽっと 】


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育苗用として一時的に利用する、塩化ビニール製の植木鉢(ポット)のこと。

もともとは園芸農家が植物を出荷しやすいように開発された農業資材で、ホームセンターなどで苗を販売したり、種から植物を育てる際の育苗用に利用される。最も普及しているのは手のひらサイズの黒いポリポットだが、最近では青や白などカラフルなものや、様々なサイズがある。

柔らかい材質のため、移植するときにはポットごと軽くもむと簡単に苗を取り出すことができる。

ポリポットとは植物の陰で暮らす「こびと一家」の名前、という噂がある。

ポリポット。あれはいったい全体どういうつもりなのか。
ホームセンターで野菜の苗を買うとき、ほぼ100%の確率で苗はポリポットに入っている。ポリポットはプランターや畑に苗を植え付けするまでの一時的な入れ物だから、苗を植えれば役目は終わる。でも、終わったからといって別に土に返るわけでもないので、そこに空っぽのポリポットが残る。

捨てようかと一瞬思うのだが、空っぽのポリポットを見つめていると「種まきに使うかもしれないし」と下心が湧き、つかむとペコッとしぼんでしまうさまに「そんなにかさばるものじゃないし」と憐憫の情が湧き、太陽を浴びてツヤツヤと輝く表面を眺めて「そもそも野菜を育てているエコっぽい人間が、石油原料の塩ビ製品をなぜ持っているのか」と不条理を感じ、

結局そのまま隅っこに放置することになる。

ところが、ふと気がつくとポリポットが増えている。いくつも苗を買っているのだから当たり前なのだが、重なってタワーのようになったポリポットの山を見て「え、いつのまにこんなに??」と度肝を抜かれてしまう。

たまるときにはギョッするほどあるくせに、いざ育苗しようとすると数が足りなかったりするからタチが悪い。それでいて、作業中にちょっと入れ物がほしいなと思ったときには、いつのまにかそばにいて重宝したりするからあなどれない。

あれはきっとアリエッティ的な何かなのではないか。植物の陰に隠れてひそかに民家に侵入し、プランターの裏にこっそり家を建てている。ちゃっかり増殖もする。食糧は植わった野菜を夜中にそっと拝借。なにより大好物は野菜の肥料、特に根っこを強くするカリウムをこよなく愛する。カリぐらしのアリエッティ。

それでなくても黒光りして目立つのに、ピンクとかブルーとか最近は爽やかカラーの一族も住みついて、さらに存在感を増している。おそるべし、ポリポット一族。
野菜を育てる際には、くれぐれも一族の侵略にご注意あれ。

魂のイラスト:ポリポット族

文:アキエダ / 絵:サノア