水耕栽培って、何だろう?
「水耕栽培」と聞くと、植物工場を思い浮かべるかたも多いかと思います。大掛かりな設備とLED照明でコントロールされたプラント…。
確かに、そういった大規模な農業施設も増えつつありますが、Sodatteでご紹介するのは、ご家庭で簡単に出来る水耕栽培。お手軽水耕栽培です。
水耕栽培って、実はものすごく簡単で楽なんです。プランター栽培で上手く野菜が育てられなかった人も是非チャレンジしてください。基本さえマスターすれば、誰にでも簡単に野菜が育てられる、魔法のような(あら、ちょっと大げさかしら?)栽培方法なんですよ!
専門家ではないのでかなりアバウトな記事ではありますが、「これから水耕栽培を始めたい」というかたのお役に立てれば幸いです。
水耕栽培の一番の良い所は「土を使わない」ってこと
私が住んでいるのは都内の賃貸のマンションです。ベランダも「物干しスペース」的な広さしかありません。この狭いベランダでプランターの土を再生したり、連作障害を考えて土をローテーションさせたりなんて、そりゃ到底無理。
そこで始めたのがお手軽水耕栽培です。最初は難しそうだなぁ〜と思っていたけれど、これがやってみると意外とカンタン。面白いように野菜が育つので、すっかりハマってしまいました。
今では我が家のベランダは、すっかり家庭菜園。プランター栽培に比べると省スペースなので、栽培品種もどんどん増えてきました。夏になるとトマトやキュウリ、メロン、ナス、枝豆、ピーマンなどなど、野菜のジャングルが出現します。土の処理の手間が無いので栽培の回転も早くできますし、清潔だから室内でも栽培しちゃったり。
色んな野菜を沢山育ててみたい!というかたには、とってもお勧めな栽培方法です。
水耕栽培で何が出来るの?出来ないの?
ときどき、ヒヤシンスの「水栽培」と勘違いしているかたもいらっしゃいますが、水耕栽培は水ではなく、専用の液肥を使って育てます。きちんと栄養を与えるから、トマトやメロンなどの大きな果菜も元気に育ってくれます。ペットボトルや小型の容器を使って、葉物野菜も手軽に育てられます。野菜だけでなく、花なんかも以外と元気に育ってくれます。プランター向きの野菜ならば、何でも育つと言い切ってしまいたいぐらいです。
けれど。ちょっと難しいかな、といつも思うのはやっぱり根菜。
後ほど水耕栽培の仕組みをご説明しますが、構造上、ジャガイモや立派な大型のダイコンを育てるとなると、それなりに工夫が必要です。
構造的な向き・不向きはあるものの、「これも水耕栽培で育つの?」という新たなチャレンジもまた楽しいものです。野菜の特性にあわせて容器の工夫をすると、可能性はぐんぐん広がっていきます。
水耕栽培の先人たちのブログも是非、ご覧になってみてください。きっと挑戦したくなるはずです!
土が無いのに、どうして育つんだろう?
水耕栽培では、基本的に「土」は使いません。植物が倒れないように支えるための、少量の「培地」だけを使用します。培地はほとんどの場合、再生可能な石粒やスポンジを使います。有機質な土では無いので、培地から栄養は補給されません。
その代わり専用の液肥を使って、植物に栄養を補給するのが水耕栽培です。この「専用の液肥」というところが、そもそも分かりにくいですね。園芸店やホームセンターでは手に入りにくい水耕栽培用の液肥。プランター用の液肥と何が違うのでしょうか。
土を使わない水耕栽培では、「土の働き」が割愛されてしまいます。少し難しい話ですが、プランター用の液肥はほとんどが、土の働きを考慮した栄養配合になっているんです。ですが水耕栽培では土を使いませんから、必要な栄養分が全て液肥の中に揃っていないと上手く育ちません。水耕栽培用の液肥は、その点を考慮した栄養配合がなされています。窒素やカリ・リン酸だけでなく、本来は自然に土に含まれている「微量栄養素」なども液肥の中に含まれていて、全く土の無い状態でも楽に育つように作られているんです。
次ページで、具体的な水耕栽培用の液肥や、植物を支える培地のご紹介しましょう。言わば水耕栽培の基本資材について、です。