始めよう、水耕栽培(2)基本資材の液肥と培地

基本資材の液肥と培地

さてさて。思わせぶりな液肥のお話で終わった、前回の記事からの続きです。このページでは、水耕栽培を始めるにあたって無くてはならない、液肥と培地について詳しく見ていきましょう。

液肥と培地は、言わば水耕栽培の基本資材。栽培を始めるにあたって最低限必要な資材です。記事を参考に、ご自分のスタイルにあったものをそれぞれチョイスしてくださいネ。

水耕栽培用 液肥いろいろ

前回の記事で、水耕栽培には専用の液肥を使うよ、と書きました。実際にはこのような液肥が販売されています。どれも水耕栽培でしっかり植物が育つように、養分がしっかり配合されている液肥です。お好みで選んで大丈夫。パッケージや説明書に記載されている、希釈倍率をしっかり守って使いましょう。くれぐれも濃くなり過ぎないように、正確に測って希釈することを心掛けて。

ハイポニカ

協和株式会社

500mlパッケージ:1,000円前後 / 1リットルパッケージ:1,700円前後 / 4リットルパッケージ:6,000円前後

最もポピュラーな水耕栽培用の液肥。2液式になっていて、水にそれぞれを溶かして水溶液を作り、液肥として使用します。基本は500倍の濃度で使用する液肥で、2リットルの水溶液を作るには4ccづつ使用します。500ml・1リットル・4リットルのパッケージから選べるのも嬉しい!育てたい株数にあわせて選ぶと良いでしょう。

大塚ハウス

大塚アグリテクノ株式会社

プロ用の粉タイプの液肥。大塚ハウスには様々な種類があり、数種類を組み合わせて使いますが、もともとプロ用なので本来の販売形態が大容量すぎるのが難点。始めて使うのならば、小分け販売をしているショップでの購入がお勧めです。粉を溶かして濃縮液を作り、さらに薄めて液肥として使用するので、少々手間が掛かります。コスト的にはお得です。

ベジタブルライフA

大塚アグリテクノ株式会社

1リットル:1,900円前後

大塚ハウスの「A処方」と呼ばれる組み合わせが、手軽な1液式の液肥になっています。100倍〜300倍に薄めて使用するタイプの液肥。大塚ハウスを使ってみたいけど、色々と面倒そうだなぁーというかたにはこちらがお勧め!1本だけなので濃度を間違う事も無く、初心者でも簡単に使えます。

水耕栽培基本肥料・鉄カルシウム肥料セット

瀬古商店

100mlパッケージ:600円 / 500mlパッケージ:1,500円

植物工場向けの液肥を調合・販売する瀬古商店さんが、家庭水耕栽培向けに開発した液肥。基本肥料と微量栄養素の2本をセットで、500倍に薄めて使用します。お試しサイズの小さなパッケージもあるので、水耕栽培をちょっとだけ試してみたい!というかたにもお勧め。

微粉ハイポネックス

株式会社ハイポネックスジャパン

120gパッケージ:500円前後 / 200gパッケージ:700円前後 / 500gパッケージ:1500円前後

唯一、ホームセンターや園芸店で手に入る水耕栽培向きの肥料。粉タイプで、水に溶かして使います。パッケージに記載はありませんが、微量栄養素もしっかりと配合されているとの事です。小さなパッケージは、お試し栽培にもピッタリ。手軽です。

ハイポネックスシリーズには、沢山の商品がありますが、水耕栽培に向いているのは、この粉タイプの「微粉ハイポネックス」です。ご購入の際には、お間違いの無いよう。

上記の中から、どれかひとつを選べばOK。野菜の種類によって液肥を変える必要はありませんよ d(*^-^*)
2液式の液肥の場合は、最初に原液を混ぜて置いてはダメ。混ぜると結合してしまう成分なども多く含まれているので、あまり多くの希釈液を作り置きせず、使う分だけその都度作りましょう。

培地を選ぼう

水耕栽培の容器については、また次回詳しくお話ししますが、大まかに言うと、水耕栽培の仕組みはこのような感じになっています。

土ならば根っこが縦横無尽に張って、植物を支える事が出来るのですが、土の無い水耕栽培では、根っこが植物を支える事ができません。倒れないようにするために、何かしらで固定してあげる必要があります。その役目をするのが「培地」です。逆に言うと、培地の役目は、それだけです。

そう。培地からは養分は吸収しなくて良いのです。土のように、植物に養分を与える働きはしなくて良いのです。養分は全て液肥の中に揃っていますから、「支えられるもの」であればOKなんです。一般的には、水に何らかの成分が溶け出さないもの、再生がしやすいものなどが使われています。

バーミキュライト

蛭石(ひるいし)を高温で焼き、10倍以上に膨張させたもの。土壌改良資材として、園芸で良く使われています。手に入りやすいので人気です。特に直接種まきして育てる場合には、保水力があるのでとても使いやすい。

日向土

土…という名前ですが、宮崎県で生産されている細かい軽石です。永田農法で良く使用されています。石なので、熱湯消毒して使い回す事が可能です。良く洗って、埃を落としてから使いましょう。

ハイドロボール

インテリア向けの観葉植物で土の代わりに良く使われている、丸い小石。粘土質の水成岩を高温で焼いて膨張させたもの。様々な大きさや色のものが販売されています。熱湯消毒できるので、何度も使えてお得。

スポンジ

食器やお風呂を洗う時に使う、普通のスポンジです。切り込みを入れて、苗を挟んで使います。培地は要は「支えられれば良い」のですから、水耕栽培の容器の形によっては、このスポンジだけで十分な場合もあります。

液肥と培地があれば、後はペットボトル等を加工して、手軽に簡単に始められるのが水耕栽培の良いところ。次回はいよいよ、水耕栽培の容器について、です。もう本当に、色んなスタイルがあるんですよ、水耕栽培って。一挙にどどーんとご紹介しちゃいます。

水耕栽培初級講座「始めよう!水耕栽培」

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